70代・80代で身近に親族がいなかったら?独身・子なしの私が調べた相談先と備え

身近に親族がいないときの相談先と備えを調べるイメージ 人生後半の整理ノート

前回は遺言書について調べた。財産の行き先は、書いておけば決められる。でも、それだけでは足りない気がした。

もっと年をとって、70代、80代になったとき。近くに頼れる親族がいなかったら、どうすればいいんだろう。今回は、そこを調べてみた。

3行でいうと

まず知っておきたい相談窓口は「地域包括支援センター」

判断力が落ちる前に、任意後見などを考えておく

身元保証人がいなくても、入院を断るのは適切でないとされている

70代と80代で、考えることは違う?

期限・予定のイメージ(カレンダー)

調べていて、こんなふうに整理すると分かりやすいと思った。あくまで、私なりの目安だ。

年代考えたいこと
70代元気なうちに、決めておく。遺言書、任意後見、緊急時の連絡先、相談窓口を知っておく
80代支えが必要になることが増える。介護、見守り、お金の管理、入院や施設のこと

元気なうちにしかできないことがある。だから、70代のうちに準備を始めておくのがよさそうだ。

まず知っておきたい窓口

電話で相談するイメージ

親族がいなくても、公的な相談窓口はある。いちばん最初に知っておきたいのは、地域包括支援センターだ。

用語メモ

地域包括支援センター高齢者の総合相談を受ける窓口。市町村が設置している。

  • ☑ 保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員などがいる
  • ☑ 高齢者のさまざまな相談を受けて、必要な制度やサービスにつないでくれる
  • ☑ 高齢者の権利や財産を守る支援も行っている

どこに相談していいか分からないとき、まずここに聞けばいい、と覚えておこうと思う。住んでいる市町村のホームページなどで、場所と電話番号を調べておける。

判断力が落ちたとき、お金や契約は誰が?

手続きのイメージ(鍵)

年をとると、認知症などで、契約やお金の管理が難しくなることがある。そんなときの制度を、3つ調べた。

制度特徴
任意後見元気なうちに、自分で選んだ人と契約しておく。契約は公正証書で結ぶ。判断能力が不十分になり、任意後見監督人が選ばれてから、効力が生じる
法定後見(後見・保佐・補助)判断能力が不十分になったあと、家庭裁判所が選んだ人が、本人を支える。程度に応じて3つの種類がある
日常生活自立支援事業社会福祉協議会が、福祉サービスの手続きや、日常的なお金の管理を手伝う。訪問1回あたりの利用料は、平均1,200円ほど(実施主体で違う)
ここだけ注意

任意後見は、元気なうちにしか契約できない。判断能力があるうちに、公正証書で契約する必要がある。公正証書の費用の目安は、基本手数料1万1000円、登記の手数料1400円、印紙代2600円と、厚生労働省のページに書かれている。

誰に任意後見をお願いするかは、独身・子なしにとって、大きな問題だと思った。この点は、専門家や社会福祉協議会に、早めに相談してみたい。

入院や施設に入るとき、身元保証人がいなかったら?

専門家に相談するイメージ(吹き出しと十字)

これも気になった。「身元保証人がいないと、入院できないのでは」という不安だ。

調べると、厚生労働省は、平成30年に通知を出していた。「身元保証人等がいないことのみを理由に、医療機関が入院を拒否することは適切ではない」という内容だ。医師法第19条の考え方にもとづいている。

また、令和元年には、身寄りがない人の入院や、医療についての意思決定を支えるためのガイドラインも出ている。

ただし、施設への入所は、施設ごとに条件が違うようだ。心配なときは、地域包括支援センターや、病院の相談室に聞いてみるのがよさそうだ。

身元保証や死後の手続きを、事業者に頼むとき

支え合うイメージ

親族の代わりに、身元保証や死後の手続き、日常生活の支援をしてくれる民間の事業者もある。

ただ、契約が長い期間になること、先にお金を預けることなどで、トラブルも増えているそうだ。2024年6月には、政府が「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」を公表している。

死後の手続きについては、死後事務委任契約のところで書いた。契約の前は、内容と費用を、よく確認したい。

今のうちにできること

確認・チェックのイメージ
  • ☑ 住んでいる地域の、地域包括支援センターの場所と電話番号を調べる
  • ☑ 緊急のときに連絡する人と、かかりつけ医を決めておく
  • ☑ 遺言書と任意後見を、元気なうちに考える
  • ☑ 預貯金・年金・保険などを、一覧にしておく。書き方はエンディングノートの書き方に書いた
  • ☑ 自治体に、見守りや配食などのサービスがないか、聞いてみる

ここに書いたことは、私が調べて分かった一般的な内容だ。個別の事情で変わることもあるので、実際の手続きは、専門家や公的な窓口に確認してほしい。

よくある疑問

Q. 親族がいなくても、入院を断られない?

厚生労働省は、身元保証人がいないことだけを理由に入院を断ることは適切ではない、と通知している。困ったときは、地域包括支援センターや、病院の相談室に聞いてみてほしい。

Q. 任意後見は、いつまでに契約すればいい?

判断能力があるうちに、公正証書で契約する必要がある。判断が難しくなってからは、この形では契約できない。元気なうちに、考えておきたい。

Q. どこに相談すればいいか、分からない

まずは、地域包括支援センターに聞いてみるのがいいと思う。相談の内容に合わせて、必要な制度や窓口につないでくれる。

まとめ

親族が近くにいなくても、頼れる窓口や制度はある。70代のうちに、遺言書や任意後見を考えて、80代に向けた準備をしておくと安心だ。

まずは1つ、住んでいる地域の地域包括支援センターの場所を、調べておこうと思う。

次回は、今の50代・60代が、いまのうちに準備しておきたいことについて調べてみる。

参考にした公的情報

厚生労働省「地域包括ケアシステム」
厚生労働省「任意後見制度とは(成年後見はやわかり)」
厚生労働省「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン及び事例集」
厚生労働省「日常生活自立支援事業」
消費者庁「高齢者等終身サポート事業に関する事業者ガイドラインについて」

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